呪文
呪文とは、魔術の補助手段として、あるいはそれ自体単独で用いられる特定の章句。魔術的な結果を生むために口に出して唱えられる特定の言葉を総称して呪文と呼ぶ。
呪文の内容は、一般に定型的なものが多く、直喩や比喩、擬音を節回し、古語や不可解な語が使用されることもしばしばであるが、その種類や用法は様々で、病気や災厄を祓ったり、事業の成功を祈願したり、くじゃみやあくびなど不吉な生理現象が生じた場合の厄払い、体をぶつけたりしたときに痛みをこらえる文句など、ほとんどありとあらゆるものがある。
一般に、おまじないのように社会で日常的に用いられるものは簡単な決まり文句を使用することが多い。
他方、中世ヨーロッパで多く書かれた「グリモア」など、悪魔を召喚する際の呪文にはかなり長くて複雑なものが多く、しかも召喚の対象となる悪魔によっても中身が異なってくる上、一部でも間違うと効果がないとされている。
西洋では「アブラカタブラ」の呪文がよく知られており、書き付けて護符にも用いられる。日本でも印や九字切りの動作とともに用いられる九字など、多くの呪文がある。