法の書
『法の書』とは、イギリスの魔術師クロウリーの代表作で、エジプトで聖守護天使エイワスの言葉を記したものである。この本は、いわゆる自動書記によってかかれたという。
1904年に新妻ローズ・ケリーとのハネムーンの際、セイロンで妻の妊娠を知り、中国へ向かう予定を取り止め、イギリスに戻ることにした。
その途上で立ち寄ったカイロで、エジプトの神トートやイ・ア・オーの召喚を行ったところ、ローズが突然に神がかり、奇妙なお告げを伝えてきた。そのお告げによると、「クロウリーがホルスを怒らせたので召喚して謝るべきだ」と述べた。
エジプト学に無知なはずのローズがホルスの名を出すのをいぶかしく思ったクロウリーは「ホルスとは誰だ」と尋ねると、彼女はクロウリーを近くの博物館に導き、とあるガラス・ケースを指差した。そこには、ホルス神の肖像があり、その展示番号こそ”666”であった。
こうしてクロウリーはホルスの召喚を行ったところ、今度はクロウリーが神がかり、自動書記で1冊の書物を書き上げた。これが『法の書』であるという。
彼に「法の書」を伝えた存在は、クロウリーの聖なる守護天使エイワスであったと言う。
召喚は1408年4月8日から3日間続けて行われ、クロウリーが儀式の後ペンを執り、白紙に向かうと部屋の隅の方から左肩を越えて声が聞こえてきたという。この書は3章構成からなり、各々66、79、75節からなり、全部で220節から成る。節の数から『220の書』と呼ばれたり『ALの書』と呼ばれることもある。
『法の書』については、出版された9ヶ月後に戦乱が起こるという噂がある。