クロウリー
近代西洋の魔術体系とエジプト・東洋の神秘思想を結びつけ、独自の魔術を完成させた「20世紀最大の魔術師」がアレイスター・クロウリーである。その影響は現代の魔術結社にも受け継がれている。
幼少時からオカルト現象に関心を持ち、ケンブリッジ大学在学中すでにゲーテの魔術について記している。
あらゆる魔術結社の母とも呼ばれる黄金の夜明け団参入直後のクロウリーは創始者の1人であるメイザースを魔術師として尊敬しており、ロンドン幹部のクーデターにより、メイザースが黄金の夜明け団を追放されると反乱鎮圧にロンドンに乗り込むと言う事件を起こし、混乱に拍車をかけている。黄金の夜明け団のクーデタ−の背景の一つには、同性愛者とされるクロウリーの入団をめぐる意見の対立があった。しかし、クロウリーが創作した有名な「トートのタロット」には、黄金の夜明け団の理論が大く反映されている。
黄金の夜明け団を脱退してから、クロウリーはメキシコ、インドネシア、セイロンなど世界各地を巡って魔術の理論的研究を深めた。さらにエジプトでは聖守護天使エイワスと接触し、有名な『法の書』を書き上げた。『法の書』については、出版後、戦争が起こるされている。
1912年には、スーフィズムとタントリズムを取り入れたドイツの秘密結社東方聖堂騎士団のイギリス支部を結成、後にその指導者にもなっている。