黄金の夜明け団
黄金の夜明け団は、ウィリアム・ウィン・ウェストコット、マグレガー・メイザース、ウィリアム・ロバート・ウッドマンが1888年に設立したイギリスの魔術結社。正式名称をThe Order of the Golden Dawnといい、GDと略される。
黄金の夜明け団は、各種の魔術体系を復活・整備するとともに、教育システムなどを体系化し、後の魔術界に多大な貢献をした。
その教義は当時ヨーロッパでブームを起こしていた神智学の東洋哲学や薔薇十字団伝説、錬金術、エジプト神話、占い、グリモワールなど西欧の伝統的秘教知識を、カバラの「生命の樹」といわれる図形になぞらえた位階を設定。昇格試験を経て上位の位階に進むというシステムを採用した。後の多くの西洋神秘主義団体も、このシステムを受け継いでいる。初心者でも一つ一つステップを踏んで、理解しやすく学習する事が出来るようにしたシステムである。
しばらく組織は順調に発展し、ライダー版タロットを製作したエドワード・アーサー・ウェイトや、20世紀最大の魔術師アレイスター・クロウリー、ノーベル文学賞受賞者の詩人イェイツなども加入、最盛期には100人近くの会員を擁しが、内紛により1903年までに教団は分裂した。