召喚魔術
召喚魔術とは、天使や悪魔、各種の精霊などの超自然的存在や霊などを呼び出し、何らかの方法でこうした諸霊を操って目的を遂げるものをいう。
自然界の事物相互間に隠された影響関係を利用する自然魔術に対し、召喚魔術は、自然界の背後にあって超自然的な力で物質世界に影響を与えうる存在を呼び出し、こうした存在と直接交渉したり、契約を結んだりしてその力を利用しようとする。
一般に、天使や善なる精霊など善たる存在を呼び出す場合は白魔術とされ、悪魔や悪霊など邪悪な存在の力を利用する場合は黒魔術とされる。
この種の魔術の起源は古く、世界各地の民間信仰の中に祖先の霊や神、精霊などを自分に乗り移らせる霊媒師(日本でいえばイタコなども、その一種といえよう。)やシャマンなどの存在が伝えられている。西洋においては、紀元2世紀に書かれた『カルデア人の神託』に召喚の技法が記されている。
召喚の方法は、時代や魔術の系統、さらには呼び出す相手によっても様々である。
中世ヨ−ロッパで生まれた一連の『グリモア』には、悪魔を召喚する方法が記されているが、16世紀のディーなどはケリーを通じて天使の召喚を行っている。
近代においてもレヴィ(やクロウリー、など多くの魔術師が実際に召喚を行っている。