悪魔崇拝
悪魔崇拝とは、ユダヤ・キリスト教においては、悪魔は神に敵対する存在であるが、そうした悪魔を神に代わって崇拝すること。
善なる神に敵対する存在や、人間の修行を妨げる存在としての悪魔は、世界各地の宗教に見られるが、ユダヤ・キリスト教の伝承においては、神の命令に逆らった天使たちが悪魔となったと解釈されている。しかし、ユダヤ・キリスト教で悪魔とされる存在の中には、他の宗教で神として崇拝されていたものも多く含まれている。
一方で、文字通り悪霊としての悪魔を崇拝する儀式も古来から存在する。
イラクを中心に居住するヤジード教徒たちは、孔雀の姿をした悪魔を崇拝しているといわれ、テンプル騎士団はパフォメットという悪魔を崇拝していたという嫌疑で弾圧された。フランスの元帥ジル・ド・レも悪魔崇拝で告発され、17世紀のフランスでは悪魔に生け贄を捧げる黒ミサも盛んに行われた。現代では、アメリカのラ・ヴェイが設立したサタン教会や、その分派のセト寺院などが公然と悪魔崇拝を主張している。