東方聖堂騎士団
東方聖堂騎士団とは、ドイツのカール・ケルナーが設立した魔術結社で、西洋魔術結社として初めて東洋のタントリズムを本格的に導入した。
ケルナーは、ベンガル地方へ旅した際インド人及びアラブ人のグル(導師)からイニシエーション(通過儀礼)を受けたと主張している。設立は1895年とされているが、1904年フリーメーソン系の機関誌に登場し、この名が外部から確認される。
1905年のケルナーの死後、テオドール・ロイスが教団を引き継いだ。
クロウリーがこの団体に加入したのは1912年のことであり、ロイスの許可を得てイギリス支部であるミステリア・ミスティカ・マキシマを設立する。
1922年、ロイスはクロウリーを後継者に指名するが、ドイツの教団の中にはクロウリーの『法の書』の内容に反発するものがいたため教団は分裂した。
その後ドイツの教団はナチスの弾圧により壊滅したが、その当時のクロウリー派の指導者カール・ヨハンネス・ゲルマーは1941年にアメリカに逃れ、1947年のクロウリー死後はその著作権と遺骨を引き継いだ上で教団の指導者となる。アメリカではゲルマーの後継者がニューヨークに本部を構えたが、ゲルマーは生前スイスの団体にも勅許状与えていたため、チューリッヒにもこのグループの拠点がある。