使い魔
使い魔とは、魔女が使役する絶対的な主従関係で成り立つ下級の霊のことである。通常は猫やカエルなどの小動物の姿をしている。
使い魔は、魔女が悪魔に自らを捧げ、その代わりに魔女の力で様々な魔力を得るという契約を結ぶとき、魔女が与えるもので、常に魔女に従い、魔術を行う際に力を貸したりする。また、魔女はそれらの動物と感覚を共有するとされた。
中世の信仰では、猫の姿を取ることが最も多いとされたが、他にもカエル、鳥、イタチ、ひよこ、子豚、ゴキブリなどの姿を取ることがある。
こうした使い魔は、実際は小動物の姿をした下級の霊であるが、より大きな力のある魔術師は、魔女それ自体をも指輪や水晶などに封じ込め、使い魔として好きなときに使用したと伝えられている。
最も有名なのは古代イスラエルの伝説の王ソロモンで、神の名を刻んだ指輪を使ってアスモデウスなどの魔女を使役したといわれている。中世の魔術書『レメゲトン』は、ソロモン王が使役した72の悪霊、通称「ソロモンの72霊」の名前や特性を列挙している。
ティアナのアポロニウスについても、使い魔を封じ込めた指輪を持っていて目的に応じてこれらを使用したとされ、16世紀の魔術師アグリッパも、使い魔としてムッシュウという名の黒い犬を従えていたという伝説が伝わっている。